ICLやレーシックはとっても繊細な『目』に関わる手術。
事故などで失明した場合は、死亡保険と同じ金額が下りる…という保険も多いくらい、
人にとって『視力』というのは重要な五感として捉えられています。
ICLはレーシックに比べ、
「安全性が高い」と言われています。
その理由としては、
・取り外し可能
・角膜を削らない
・元に戻せる
といったポイントが挙げられます。
ですが、実際にはコンタクトのように簡単に取り外しができるものでもありませんし、何度もやり直しがきくわけではありません!
レーシックとの違い
たしかにレーシックで集団訴訟の原因となっている
『過矯正』や『ドライアイ』は、ICLでは起こらない、
と言われています。
ICLの場合は、ある程度検査した後に適正なレンズを判断し挿入するため、
レンズ発注後の執刀医ミスによる過矯正…等は無いわけです。
(たまたま検査日の視力が2日間とも平時より悪く、発注したレンズでは度がキツかったという事はありますが、交換可能です)
ですが・・・ICLにも起こりうる『失敗』があります。
ICL手術の失敗
ICL手術の中には、レンズを抜いても治らない後遺症が残る可能性があります。
例えば、白内障や感染症が挙げられます。
とくに白内障に関しては、
レンズの改善等、近年のメーカー努力により
年間件数は減りましたが、
危険性は0ではありません。
また、ICL手術術後に角膜内皮細胞が減ることで角膜が混濁することがあります。
手術して問題ないか、この角膜内皮細胞の数をチェックする機械があるため、しっかりと角膜内皮細胞数の確認を事前に行っているか、クリニックに確認しましょう。
この角膜内皮細胞は手術や加齢により減少します。
レーシックで言う『角膜の厚さ』同様、
ICL手術により角膜内皮細胞が減少した後は、
再手術が出来ない可能性があります。
(=レンズが合わなくても交換できず、外すことしかできない)
角膜内皮細胞について
正常値は3000以上と言われています。
私の場合、
手術前:3250
手術後:3180
という結果でした。
若干減っていますね。
角膜内皮細胞が無くなると?
水疱性角膜症という眼の病気になります。
この病気になってしまうと、点眼治療等では戻せません。
痛みが出ている場合、痛みを取る治療は可能ですが、
白っぽくぼやけて見える・視力の低下等は治りません。
(移植を行うと軽減されます)
様々な眼科HPで注意喚起されています。
ICL手術や加齢以外でも、コンタクトの使用により、減少スピードが加速することもあるそうです。
私は30歳手前ですが、10年以上コンタクトを着けていたせいか、角膜内皮細胞が十分とは言えない状況でした。
ICL手術を行うと、ほぼ角膜内皮細胞が減少するため、
『何度も取り外し出来る』という認識は捨てましょう!
事前の情報収集が必要
怖いことをたくさん書きましたが、
大切なことは事前にしっかりと検査を行い、
自分に合った視力矯正を行う事です。
私は今のところ『重大な後遺症』は出ていませんが、
ハロー&グレア現象はありますし、
視力が良くなったことによる”疲れ目”もあります。
PC作業の時間は、ある程度制限するようにしています。
角膜内皮細胞の数等
安全性のチェックは勿論ですが、
細かい問題もよく理解することが必要です。
疲れ目もハロー・グレア現象も、
私の生活上では大きな問題でないですが、
SE(常にPCを長時間見る)の方や
タクシードライバー(夜間車の運転がある)方は
慎重になった方が良いかもしれませんね。